個別株は出口を決めてから買う|私が守る3つのルール

投資の考え方

この記事の結論:個別株は終わりの条件を決めてから入る。決めた出口は指値で執行する。信用取引はやらない。

はじめに

私はインデックス投資がメインです。それでも個別株をまったく触らないわけではなく、触るときに必ず守っているルールが3つあります。

このルールを書いたのは2026年7月でした。当時はキオクシア(285A)が連日のように前日比±10%超で動いていて、SNSは「高値掴みした」「押し目だ」「もう終わりだ」で埋まっていました。その光景を見て、自分の考え方を一度まとめておこうと思ったのがきっかけです。

あれから3週間が経ちました。当時ルールの例として挙げた出口が、株価の実データではいつ終わることになったのか。それを確かめられるだけの値動きが出たので、その章を足して書き直します。

先に断っておきます。私はキオクシアを保有していません。以下の検証は「もしルール通りに入っていたら」という話であって、私の売買記録ではありません。私自身の売買記録が残っているのは、この記事の後半に出てくるCFDの失敗のほうです。


1. 結論:私が個別株で守っている3つのルール

  • ルール①:必ず出口戦略とセットでエントリータイミングを計る
  • ルール②:トレード期間中は基本的に値動きを監視する(できないなら指値を入れる)
  • ルール③:信用取引(レバレッジ)は絶対にやらない

順番に解説したあと、5章でルール①の出口がいつ終わったかを株価の実データで確かめます。


2. ルール①:必ず出口戦略とセットでエントリーする

個別株は「永久に持つもの」ではない

大前提として、私は個別株をインデックスのように永久保有するものだとは考えていません。

理由はシンプルです。個別株には不正・粉飾といった企業固有のリスクがあり、個人投資家にはこれをヘッジする術がないからです。

インデックスなら1社が退場しても、指数が銘柄を入れ替えて吸収してくれます。しかし個別株は、その1社に資産が乗っています。「いつか戻る」が通用しない世界です。

だからこそ、エントリーする前に出口を決めておく必要があります。

出口として決めておくこと

出口として決めておくのは、たとえば次のようなことです。

  • 損切りラインを設ける(例:買値から-10%で機械的に売る)
  • 目標額まで持ち切る(現物なので、そこまでは動かさない)

キオクシアの例で言えば、「節目の10万円で売却する」と決めてからエントリーするのがひとつ。逆に、高値から半値になったところで拾い、10万円までの利ざやを取るという入り方もあります。どちらも10万円という目標額を先に決めている点では同じです。

大事なのは戦略の中身そのものより、「どこで降りるか」を決めてから乗ることです。

出口を決めずに入ると、上がれば「もっと上がるかも」、下がれば「戻るまで待とう」と、その場の感情で判断することになります。これが高値掴みと塩漬けの典型パターンです。


3. ルール②:トレード期間中は値動きを監視する

一瞬で目標額に届くことがある

キオクシアのように前日比10%超が頻発する銘柄では、一瞬で目標額まで届いてしまうことがあります。デイトレにせよスイングにせよ、トレード期間中は値動きを監視するのが私の考え方です。

監視できないなら、あらかじめ指値(逆指値)を入れておく。出口を決めただけでは足りず、それを執行する仕組みが要るということです。

だからサラリーマンに個別株は難しい

正直に言うと、この管理はかなり面倒です。日中に値動きを見られないフルタイムの会社員にとって、個別株投資はそもそも構造的に不利だと思っています。

  • 場中に急騰・急落しても対応できない
  • 指値の設定と見直しの手間が積み上がる
  • 仕事中に株価が気になり、本業にも支障が出る

「監視も指値管理もできない」なら個別株はやらない、という判断も立派な戦略です。私がインデックス投資をメインにしているのは、この管理コストを払いたくないからでもあります。


4. ルール③:信用取引はやらない

3つ目は、私にとって最も強いルールです。信用取引はやりません。

理由は2つあります。

  1. レバレッジをかけると、投機的な値動きでロスカットされる。方向性が合っていても、途中の乱高下で強制退場させられる
  2. 冷静な判断ができなくなる。含み損が証拠金を削っていく状況で、ルール通りに動ける人はほぼいない

これは一般論として書いているのではありません。私自身が2020年にやって、実際にそうなりました。

コロナショックの初動で、私はNYダウのCFDを22枚持っていました。建値ベースの想定元本はおよそ6,600万円です。2020年2月25日、その22枚がすべてロスカットされ、この日だけで400万円あまりを失いました。年間の実績は-393万円です。

当時の私が見ていたのは、口座画面の証拠金維持率というパーセンテージだけでした。自分が6,600万円を動かしていることを、一度も計算していませんでした。

キオクシアのような±10%が日常の銘柄に信用取引で入るのは、私に言わせれば同じ道です。現物なら耐えられる下落も、レバレッジは耐えさせてくれません。

このときの約定履歴は22枚ぶんすべて別の記事に公開しています


5. 答え合わせ:決めた出口は、いつ終わったか

ここからが、この記事を書き直した理由です。

2章で挙げた「10万円で売る」「半値で拾って10万円まで」は、どちらも10万円という目標額を先に決める型です。この型を選んでいたら、いつ終わっていたのか。株価はその後こう動きました。

日付終値出来事
2026/6/19108,600円終値が10万円台に。「10万円で売る」の目標に到達
2026/6/22108,700円ザラ場で112,700円をつける(年初来高値)
2026/6/25103,850円終値が10万円台だった最後の日
2026/7/1752,110円終値が高値の半値(およそ56,000円)を下回る。「半値で拾う」の条件が成立
2026/7/2264,270円元記事の公開日
2026/8/1048,010円高値の半分以下

※ 2026年10月1日を効力発生日として1株を3株に分割することが決議されています(2026年7月31日)。上の株価はすべて分割前の値です。

高値からはおよそ-57%、元記事を書いた日から数えてもおよそ-25%です。2つの出口は、それぞれこうなります。

決めておいた出口いつ成立したかいまの状態
節目の10万円で売る目標に到達:2026年6月19日決着した。以降、終値が10万円台だったのは2日だけで、6月26日からは一度もない
半値で拾って10万円まで持つ拾う条件が成立:2026年7月17日まだ決着していない。目標の10万円に届いていない

後者は「まだ終わっていない」だけで、失敗ではありません。目標額まで持ち切ると決めた以上、届くまで持つのが設計どおりの動きだからです。

2つを並べると、はっきりすることがあります。ルール①では損切りラインと目標額の2つを挙げたのに、キオクシアの例として出したのは、どちらも目標額のほうでした。つまりどちらも「上」しか決めていない。目標額に届いたら降りるとは決めてあるのに、届かないまま下がり続けたときのことは決めていません。前者は6月19日に届いたので終わりました。後者は、終わる条件が上にしかないので、まだ終われずにいます。

「目標額まで持ち切る」を選ぶのは、届くまで何年でも持つと決めることと同じです。それを引き受けられるかどうかは、入る前に決めておく話であって、下がってから考える話ではありません。

出口を決めるとは、値段を決めることではなく、終わりの条件を決めることでした。


6. 決算が大幅な増収増益でも、株価は半値以下だった

もう1つ、答え合わせで分かったことがあります。

キオクシアが2026年7月31日に発表した2027年3月期第1四半期(4〜6月)の決算は、こうでした。

  • 売上収益は前年同期のおよそ5倍(3,428億円 → 1兆7,671億円)
  • 営業利益は前年同期のおよそ28倍(449億円 → 1兆2,700億円)
  • 続く第2四半期も、さらに増収増益の見通し

生成AI向けのデータセンター需要でNANDの単価が大きく上がったことが理由だと、決算短信に書かれています。数字だけ見れば、文句のつけようがない決算です。

それでも株価は、高値の半分以下のままです。

個別株で怖いのはここだと思っています。「いい会社の株を持っていれば大丈夫」は、少なくとも短期の値動きに対しては成り立ちません。決算が良いか悪いかと、自分が買った値段より上か下かは、別の話です。

だから終わりの条件を決めておく——というのが、私がルール①を外さない理由です。業績を読み切る自信があるかどうかではなく、読み切れても株価は別に動くからです。


7. 備考:高配当株ポートフォリオは別物

1つ補足です。高配当株投資として個別株のポートフォリオを持つのは、ここで言う個別株投資とは考え方が異なります。

高配当株投資は値ざやではなく配当を目的とし、分散されたポートフォリオで長期保有するスタイルです。出口戦略や値動きの監視といったルールは、値ざやを取りに行くトレードとしての個別株投資を前提にしたものであり、高配当株投資にはあてはまりません。


8. まとめ

  1. 個別株は企業固有のリスクをヘッジできないため、インデックスのように永久保有するものではない。損切りラインか目標額か、出口を決めてからエントリーする
  2. 乱高下する銘柄は一瞬で目標額に届く。監視できないなら指値で執行を仕組み化する。この管理ができない会社員に個別株は難しい
  3. 信用取引はやらない。私は2020年にNYダウCFDを22枚(想定元本およそ6,600万円)持ち、1年で-393万円を出した
  4. 出口を決めるとは値段を決めることではなく、終わりの条件を決めること。目標額まで持ち切ると決めるのは、届くまで持ち続けると決めるのと同じ

エントリーの前に、まず出口を。


数字の出どころ

この記事の株価と決算の数字は、公開されている一次資料から取りました(2026年8月12日時点)。

CFDの数字は、当時の約定履歴をそのまま公開している自分の記事から取っています。


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■注意

当ブログは特定の銘柄や資産運用を推奨する目的は一切ございません。

本記事に出てくる株価・決算の数値は執筆時点のものです。

投資は自己責任で!!

ではまた!!

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