入金力は資産4,000万円でも効くのか|1年の週次記録で確かめた

投資の考え方

この記事の結論:1年でいちばん資産が増えた週をつくったのは、相場ではなく賞与でした。

はじめに

資産が増えるほど、毎月の入金は小さく見えてきます。

1日で数十万円動く口座を眺めていると、月30万円の積立は値動きに埋もれた誤差のように思えてきます。私も4,000万円に近づいたころ、「この規模になったら、増えるも減るも相場次第だろう」とどこかで思い始めていました。

2026年7月10日に、その見方が崩れました。1ヶ月半ほとんど動かなかった資産が、1日で4,000万円を超えたからです。押し上げたのは相場の上昇ではなく、夏の賞与を証券口座へ振り替えた自分の操作でした。

そのときは実感として書いただけだったので、あとから週次の記録51週分を数え直しました。実感は、記録でも裏が取れました。


1. 結論

  • この1年で最も資産が増えた週は、相場が最も上げた週ではなく、賞与を振り替えた週だった
  • 相場が1位(S&P500 +4.54%)だった週の増加は約113万円。賞与の週は約173万円で、約60万円上回る
  • S&P500がマイナスだった週にも、年間5位の増加が起きている。冬の賞与の週
  • ただし1年の総額で見れば、入金は増加の約38%。主役は評価額の伸び。それでも入金404万円の約半分は、この2回の賞与でできている(第6章)

2. 4,000万円の壁の前で、5週間ほとんど動かなかった

まず、何が起きていたかから書きます。

6月の中頃には、大台まであと41万円ほどのところに来ていました。ところがそこからが長かった。上がっては下がり、下がっては戻る。「来週こそ突破か」というところまで伸びて、翌週にはするっと戻される。

記録日運用資産前週比S&P500 週次
2026/5/3039,138,934円+701,199円+1.43%
2026/6/639,366,854円+227,920円-2.59%
2026/6/1338,614,260円-752,594円+0.65%
2026/6/2039,592,526円+978,266円+0.93%
2026/6/2738,938,313円-654,213円-1.95%
2026/7/439,188,747円+250,434円+1.76%
2026/7/1140,922,282円+1,733,535円+1.23%

※金額はすべて証券口座の実額です。記録は毎週土曜の朝、米国市場が金曜の取引を終えたあとに取っています。

5月30日から7月4日までの5週間で、資産は49,813円しか増えていません。その間も週ごとには最大98万円動いています。止まっていたのではなく、往復して同じ場所に戻っていたということです。

S&P500の列を見ると、この5週間に相場は下げも上げもしています。上下はしたが、壁は壊さなかった。節目の手前で足踏みが続くのは、想像以上にやきもきしました。週末に記録をつける手も、正直重くなっていました。


3. 壁を壊したのは、朝の振替だった

7月10日に壁を壊したのは、待っていた相場の上昇ではありませんでした。

意外に思われるかもしれませんが、この日に驚きはありませんでした。受け取る額は前の晩には分かっていて、そこからどれだけを口座へ回せば大台に届くのかも、すでに出してあったからです。節目を通過するのは、前夜のうちに決まっていたことになります。

翌朝、いつもの手順どおりに先取りぶんを移しました。大台を越えたのは、その反映が入った瞬間です。11ヶ月追いかけた数字を動かしたのは相場ではなく、私が画面で操作を確定させたことでした。

その日の口座画面がこれです。

2026年7月10日18時02分の証券口座画面。合計40,681,147円、前日比-13,366円

画面は7月10日の時点、週次の記録はその翌日です。記録にはこう残っています。

  • この週の総資産の増加:+1,733,535円
  • そのうち、現金として口座に入った額:+1,100,000円

増加のおよそ6割が、相場とは無関係に入ってきたお金でした。残りのおよそ63万円は評価額の変動です。この週のS&P500は+1.23%なので、悪くはないけれど、突出した週でもありません。

胸が高鳴るような場面ではなく、「読みどおりに来たな」と受け止めただけでした。


4. 最も資産が増えた週は、相場が最も上げた週ではなかった

ここからが、記事にしたあとで数え直して分かったことです。

週次の記録から、資産の増加額が大きかった週を上から並べました。

順位記録日前週比うち現金の増加S&P500 週次(50回中の順位)
12026/7/11+1,733,535円+1,100,000円
(夏の賞与)
+1.23%(13位)
22026/4/18+1,129,453円+17円+4.54%(1位)
32025/10/11+1,119,267円+118円-2.43%(49位)
42026/4/11+1,116,690円-200,027円+3.56%(4位)
52025/12/13+1,066,921円+833,638円
(冬の賞与)
-0.63%(39位)

※S&P500の週次は金曜終値どうしの比較で、「相場が良かった週かどうか」の目安として載せています。私の資産にはNASDAQ100も為替の影響も含まれるため、両者の動きは一致しません。順位は、51週の記録から得られる週ごとの変化50回の中でのものです。

1位と5位が、夏と冬の賞与の週です。

2位の4月18日は、S&P500がこの1年で最も上げた週です。+4.54%。それでも増加は約113万円でした。

1位の7月11日は、S&P500では50回中13位の平凡な週です。それでも約173万円増えています。相場が1年でいちばん良い週を出しても、賞与1回ぶんには60万円届きませんでした。

これが、4,000万円台での入金の大きさです。「値動きの前では誤差」という感覚のほうが、記録と合っていませんでした。


5. 相場がマイナスの週にも、年間5位の増加が起きている

もうひとつ、表の5行目を見てください。

2025年12月13日。この週の増加は約107万円で、50回のうち5番目です。ところがこの週のS&P500はマイナス(-0.63%)で、相場の順位は50回中39位。決して良い週ではありません。

現金は+833,638円増えています。冬の賞与を振り替えた週でした。

つまり、7月10日は一度きりの出来事ではありません。入金の効き方は、相場が上げているか下げているかと関係がない。同じことが夏と冬の2回、記録に残っています。

評価額は上がったり下がったりして、しばしば元の場所に戻ります。第2章の5週間がまさにそれでした。入金は戻りません。一方通行で積み上がるので、相場が動かない期間でも、そのぶんだけ前に進みます。

そして、そこに置くお金を用意したのは相場ではありません。毎月の積立も、賞与も、使うぶんを除いて先取りで入れる。この地味な手続きを1年間止めなかったことが、上の表の1位と5位をつくっています。


6. 1年で見ると、入金は増加の約38%でした

ここまでは「1週間」について言えることです。1年ではどうかを分けて書きます。

手元に入金額の記録がありました。2025年8月から2026年7月までの1年間で、証券口座へ入れた金額は 4,046,549円 です。

同じ期間に運用資産は 10,775,129円 増えました(2025年8月16日の29,147,433円 → 2026年8月1日の39,922,562円)。

増えた1,077万円の内訳は、入金が404万円で約38%、残りの約673万円が評価額の伸びで約62%ということになります。

1年という単位で見れば、主役は相場です。入金だけでは400万円で、1,000万円を超える増加は説明できません。第4章と第5章の話を「だから入金がすべて」と読むのは、間違いです。

そのうえで、もうひとつの数字を並べます。

入金404万円のうち、約48%にあたる193万円が、賞与2回分です。夏の110万円と冬の83万円。第4章の表で1位と5位に並んでいた、あの2週です。

つまり1年を通してみると、こうなります。

  • 資産を増やした主役は、相場
  • 入金の主役は、賞与。毎月の積み上げではなく、年2回のまとまった振替が半分を作っている

※入金額の集計は2025年8月から2026年7月まで、資産の記録は2025年8月16日から2026年8月1日までで、期間の端が完全には揃っていません。割合を「約」で書いているのはそのためです。


7. 1,000万円までと、4,000万円台で、入金の役割は変わりました

以前、CFDで大負けしたあとの立て直しについて書いたときは、「資産1,000万円までは、リターンより入金力がすべて」という結論でした。資産300万円に年5%がついても増えるのは年15万円、月5万円入金すれば年60万円。桁が違うので、比べるまでもありません。

4,000万円台では、この関係が逆転します。

入金相場
資産300万円のころ(試算)月5万円=年60万円年5%=年15万円
資産4,000万円台(実データ)1年で404万円=週あたり約8万円週の変動額は平均で約52万円

※上段は考え方を示すための試算で、当時の週次記録は残していません。下段は実額で、週の変動額は直近25週に絞ると約59万円に上がります。

週あたり約8万円の入金に対して、相場は平均52万円動く。入金はもう、資産を増やす主役ではありません。

変わったのは役割です。

  • 1,000万円まで:入金は、資産を増やす主な手段だった
  • 4,000万円台:入金は、相場が前に進めてくれない期間に、唯一確実に前へ進む手段になった

第2章の5週間が、その実例です。相場は上下して同じ場所に資産を戻し、5週間で増えたのは5万円でした。あの期間に前へ進んでいたのは積立だけで、最後に壁を壊したのは賞与でした。


8. この記録が残した宿題:入金エンジンを降りたあと

最後に、ここまで書いていて自分に返ってきた話を書きます。

壁を壊してくれたのは、給与所得者としての賞与でした。Side-FIREは、その入金エンジンを自分から降ろす選択です。辞めれば賞与はありません。毎月の先取り入金もなくなります。

第2章のような停滞は、これからも必ず来ます。そのとき、いまの私には積立と賞与という手がありましたが、辞めたあとの私にはそれがない。「降りたあとに、何で前へ進むのか」という問いが残りました。

その答えは、取り崩しの設計のほうにあります。

-> Side-FIRE後の私の取崩戦術|4,000万円で毎月12万円

そして目標の4,125万円まではもう目と鼻の先です。数字の準備は最終盤に入りました。

-> 目標4,125万円はどう決めたか|Side-FIRE設計の全体像


まとめ

  1. 4,000万円の壁の前で、資産は5週間で5万円しか増えなかった。相場は上下したが壁は壊さなかった
  2. 壁を壊したのは朝の振替。その週の増加173万円のうち、110万円は相場と無関係に入った現金だった
  3. 1年で最も資産が増えた週は、相場が最も上げた週ではなく賞与の週。その差は約60万円
  4. S&P500がマイナスの週にも年間5位の増加が起きている。入金の効き方は相場の方向と関係がない
  5. ただし1年で見れば入金は増加の約38%で、主役は評価額の伸び。その入金404万円の約半分は賞与2回
  6. 4,000万円台で入金は主役ではなくなった。相場が動かない期間に唯一確実に前へ進む手段に変わった

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